Google式マインドフルネスのコミュニケーション術【コミュ障克服】

当エントリが解決するお悩み

・マインドフルネスってコミュ障に利くの?
・マインドフルな話し方を学びたい
・人間関係をより良くしたい

自分の言いたいことが言えない、人間関係が上手くいかない、緊張してしまう…。

このような悩みがあり、マインドフルネスにたどり着いた方も多いと思います。

実際に私自身、対人恐怖を抱えていました。当時は会話も上手くいかなったですし、親しい友人との会話でも緊張する始末。

悩み抜いた末に、

 

  • マインドフルネスを知り、症状をある程度克服する

 

ことができました。

今ではマインドフルネスを5年間実践しており、メンタルヘルスも健康的な状態を保っています。今回は私の経験と知識から、マインドフルネスとコミュニケーションの関係について解説していきますね。

マインドフルネスから見たコミュ障の定義

本題に入る前に、まず「コミュ障とは何か?」という部分を見ていきたいと思います。

よくしゃべる人はコミュ力が高いのか?

世間的には外向型で人当たりのよい人が、コミュ力が高いとされています。

・友達が多い人がコミュ力が高い
・話し上手な人はコミュニケーションが得意
・誰とでも話せる人になろう

などの考え方が、世に溢れています。

しかし本当にそうでしょうか?よくしゃべる人も「煙たがられる」こともありますし、相手が傷つくことを平気で言ったりする場合があります。

このようなタイプのコミュ障はアッパー型と呼ばれており、れっきとしたコミュ障であると言えます。

コミュ力とは、共感力のこと

それでは、コミュニケーション能力とは、本来何を意味するのでしょうか。

現代の心理学を踏まえると、本当のコミュ力は「共感力」であるといわれています。

一方的に話しかけたり、自分の言いたいことばかりを話すのではなく、

相手の感情を汲み取って、
自分の意見とうまくすり合わせることが、
本当のコミュ力

なのです。

近年は、IQに変わる概念として、EQが注目されています。

EQとは

EQは、心理学では、以下のように定義されています。

自己の感情を自己管理するとともに、他人の感情を適切に理解・共感する能力を測定する指数。

自分自身と他人の気持ちや情動をモニターし、見分け、その情報を使って自分の思考や行動を導く能力。

少し難しい定義ですが、ざっくり

「自分の感情を理解し、相手に共感する力」

という解釈でOKでよいでしょう。

こうしたEQを高めることで、自分の気持ちを理解し、相手に寄り添うことができるのです。

つまり、本当の意味でコミュニケーション能力を高めることができるわけです。

 

内向型の方がコミュ力が高い

そういう意味では内向的な人は「共感力は高い」と言われているため、実際は大人しくて周りの気をうかがう人の方が、コミュ力が高いと言えるのです。

ただ、内向的な人は、

 

・不安感が強い
・考えすぎる
・繊細過ぎる

 

などの面があるため、うまくコミュ力が発揮されないことがあります。

潜在的には、すごくコミュ力を持っているのだけど、うまく使いこなせてないことが多いのです。

共感する人

マインドフルネスでコミュ障が克服される理由

そこで、重要なのが、「マインドフルネス」です。マインドフルネスがコミュ力に影響する理由は、主に以下の3つです。

理由①マインドフルネスはEQを高める

Césarら(2018)[1]は、11〜14歳の156人の青年を対象に、EQとマインドフルネスの関係を調査しました。

その結果の一部が以下の図です。

このように、内部のマインドフルネスが高いほど、心の知能指数が高い傾向にあります。

内部のマインドフルネスとは、

 

「自分の感覚や感情、思考などの内側で起こる体験を観察する」

 

こと意味します。

つまり、自己観察を続けることで、EQを高めることができると言えます。その結果、コミュ力を高めることができると考えられます。

静坐瞑想

理由②マインドフルネスは不安を和らげる

本田(2017)[2]は、大学生290名を対象に、質問紙調査を用いてマインドフルネスと社交不安について調査をしました。

その結果、

 

  • 評価判断しない
  • 感情描写
  • きづき

 

の3つのマインドフルネスの要素が高いほど、社交不安障害の低下するという結果が得られました。

感情描写とは、自分の感情を言葉で明確に描写できる能力のこと意味します。

つまり、マインドフルネスのスキルが高いほど、不安が減り、コミュニケーション力が高くなると言えそうです。

(※研究で用いた尺度 日本語版FFMQ『Five Facet Mindfulness Questionnaire』)

③傾聴力が高まる

傾聴とは、以下のような話の聴き方を意味します。

良い悪いといった評価判断をつけずに、相手の立場をになって、話しを聴くこと

傾聴には、

・言葉
・身振り手振り
・顔の表情
・声の抑揚

など相手に話しに瞬間、瞬間、注意を向け、ありのままを受け入れることが必要になります。

傾聴は「マインドフル・リスニング」と呼ばれることがあって、マインドフルネスを培うことで、能力を高めることができます。

Google式マインドフル・コミュニケーション

では、具体的にマインドフルな会話の3つのポイントをご紹介していきます。

今回は、GoogleのマインドフルネスプログラムであるSIY(サーチインサイドユアセルフ)という自己探求プログラムの中から、解説をしていきます。

SIY

①マインドフルリスニング

先ほども少し説明しましたが、「評価や判断を加えることなく、相手の話しに耳を傾けること」を意味します。

SIYでは、注意という贈り物を話し手に与えるように行うとされています。

相手の話に関心を持つ、注意深く聞くことは、エネルギーの使うことです。

そこで、相手に対して、注意というプレゼントをしているんだ…という感覚を持つことで、他者貢献感が生まれ、積極的に傾聴を行うことができます。

このリスニングは、カウンセリングでは、

 

  • 無条件の肯定的受容

 

という言葉で活用されていたりします。 

つまり、仲のいい人だから、価値観が合うからといった条件なしに、無条件に相手を受容していく。こうした考え方がマインドフルリスニングのポイントになります。

②ルーピング

ルーピングとは、「相手の話しに理解を示し、繰り返す」ことです。

 

  • それってこういうことだよね?
  • あなたはこう考えているの?
  • 間違っていたら言ってね。

 

などが挙げられます。

ルーピングは、話し手と聞き手で同じ絵を描くと表現されることがあります。

なるべく誤解が起こらないように、相手と協力してコミュニケーションを行うのです。

これは、カウンセリングでは、

 

  • 共感的理解

 

という言葉で持ちいられることもあります。

③ディッピング

ディッピングとは、「会話中の自分の内側の変化にきづく」ことです。

観察者の自分として、一歩引いた目線で自分を見つめます。

自分に常に気がついていると、何かのハプニングで心に動揺が起きたとしても、すぐに落ち着きを取り戻し、今ここに注意を戻すことができます。

気づきのあるブレない方は、相手に信頼され、深い対話が自然に生まれます。

カウンセリングでは、ディッピングは、

 

  • 自己一致

 

という言葉で知られています。相手の話時に注意を向けながら、自分の内側に気づくなんてできるの?と思われるかもしれません。

この部分については、SIYでは、

 

中心視野で相手の話を傾聴し、周辺視野で自分に気づく」

 

と教えられています。つまり80%は相手の話しに傾聴する、20%は自分に気づくというイメージで行うと良いでしょう。

対話

プレゼンスを大切にする

先ほどご紹介した3つの技法をコミュニケーションにおいて大切ですが、テクニック的になりすぎないことも重要です。

カウンセリングに大きな影響を及ぼしたカールロジャースは、カウンセリングには、「プレゼンス」が重要だと説明しています。プレゼンスとは、

誰かのために何かを成すこと(doing)ではなく、そこに存在すること(being)を大事にする在り方

を意味します。

対話において、正解やゴールを目指すことを辞めると、自然と相手への尽きせぬ興味と関心が湧いてきます。

そうした関心にしたがって、尊敬を持って、焦らずに話を聞いていきます。

その過程で、自然と相づちや、相手の言うことを繰り返すなどの、カウンセラーにふさわしい態度が表出します。

といっても、難しいのも事実です。この辺りはマインドフルネス瞑想や慈悲の瞑想を行って、少しずつ精神性を獲得していくしかないでしょう。

私の感覚としては、

 

  • 20%ぐらいは、テクニックで、80%は自然体に振る舞う

 

ぐらいの感じがちょうどよいです。

無理してテクニックを使うよりも、素直に相手の話しを聞き、素直に自分の気持ちを表現し、今この瞬間に自分として在ることが大切です。

まとめ

マインドフルネスでは、共感や観察に基づいたコミュニケーション法を提唱しています。心の知能指数であるEQを育てることで、共感力を高め、コミュニケーションを円滑にしてくれます。

例えば、「疲れている表情で、昨日寝てないんだよね。。」と言われた場合、以下のように返していくと良いでしょう。

①リスニング
相手の話によく耳を傾ける。そして、それを良い悪いなど価値判断をしないで、ただ受け入れる。

②ルーピング
相手に共感を示す。
「あまり寝てないんだね。もしかして、最近疲れている?」
と自分が理解した内容を話し、フィードバックを得る。

③ディッピング
相手の反応によって、自分の心や体にどのような変化があるかを観察する。

この3つの技法を使うことで、日常生活でも気づきをもって、会話を行うことができるでしょう。特にコミュニケーション能力に自信がない場合にはおすすめです。

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teshy
マインドフルネス実践者/Webライター(公認心理師運営サイトのライター)

幼稚園から小学校4年まで学校では一言も話せない状態を経験。その後15年間、対人不安、強迫観念などの症状に悩まされる。マインドフルネスと出会い、これらの症状とうまく付き合えるように。現在では、マインドフルネスの発信をしつつ、原始仏教の実践にも取り組んでいる。※仏教は超初心者です
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