苦手な人へ対処するためのマインドフルネス的な対策3つ

苦手な人への対処法がわからず悩む女性
本記事の内容

・苦手な人との接し方がわかる
・苦手な人がいなくなる方法がわかる
・苦手な人と健全に距離を置く方法が分かる

「苦手な人」との付き合いは、私たちにストレスや不安をもたらします。

嫌がらせをしてくる、理不尽な要求をされるなどの状態が長期化すると、精神的にも大きな負担がかかるますよね…。

teshy
僕自身、いじめを受けていたので苦労しました…。

 

しかし、マインドフルネスを実践することで、苦手な人との付き合いに上手く対処できます。

本記事では、アサーション、コンパッション、距離を置くという3つの方法を紹介します。

これらの方法を実践することで、あなたは苦手な人との関係を穏やかにし、より良い人間関係を築くことができるようになりますよ!

方法①アサーションで伝える

アサーションとは?

アサーションとは、「相手も自分も尊重する」というコミュニケーションの姿勢のことです。

極度に自分を抑えるわけでもなく、また自分の考えを押し通すわけでもなく、両者の意見を話し合ったうえでお互いが納得できるポイントで折り合いをつけるのです。

つまり、苦手な人がとる不愉快な行動を受け入れた上で、自分がして欲しい要求を伝えていくという方法です。

例えば、相手がよく連絡なしに遅刻をしてくるとしましょう。この時に、

 

「色々あると思うけど、
遅刻する場合は連絡してもらえると助かる」

「忙しいと思うけど、
時間はなるべく守ってほしいな」

「守れる時間帯で
予定を入れてくれると助かるよ」

 

など相手を否定せずに、自分の要求も伝えていきます。

相手に対して攻撃的に振る舞うと、さらに相手との関係が悪化してしまい、さらに関わりにくくなります。

一方で、相手を優先して自分を押し殺すと、自分の心が追い詰められてしまいます。

お互いを上手く受け入れながら、適切に自分の意見を伝えるのがアサーションの技術なのです。

対話

落ち着いたタイミングで相談を持ち掛けよう

アサーションで相手の不快な行動を改善してほしいと伝える場合、落ち着いたタイミングで、

相談があるんだけど…

という形式で伝えるのがお勧めです。

自分が理不尽な対応をされた時や、不愉快な行動された時に伝えるとつい攻撃的になってしまったり、主張するタイミングを逃してしまったりする恐れがあります。

そこで、「相談があるんだけど…」という入りで伝えれば、自分のタイミングで伝えられますし、LINEでもOKなので伝えられる可能性が高まるのです。

また改まった感じも出せるので、真面目な空気も醸し出せるので、相手の聞く姿勢も生まれます。

その結果、自分の要求を聞いてもらえる可能性も高まるでしょう。

 

・相談があるんだけど
・話しがあるんだけど
・ちょっと意見を言ってもいいですか?

 

など枕詞を大切にすることで、アサーションで話す土台が出来上がります。

teshy
僕もアサーションを使うことで自分の意見を言えるようになりましたね。

方法②コンパッションを持つ

近年、心理学の世界で注目されているのが、「コンパッション」です。コンパッションとは言い換えれば、思いやりのことです。

他人や自分への思いやりが強い人は、人間関係が良好になったり、ストレスが抑えられたりすることがわかっています。

苦手な人も苦しんでいる

とはいえ、苦手な人に思いやりを持ちにくいのが人間の性。

苦手な相手の場合、どうしても相手の立場になって考えることができなくなります。

 

「なんでそんなことをするのか」
「嫌がらせして何が楽しいのか」
「やり返してやりたい」

 

など相手を敵視してしまうため、相手に共感できなくなりがち。

しかし、相手の嫌な態度、不快な態度を取ってくる根源をたどると、そこには必ず「苦しみ」が潜んでいます。

マインドフルネスは仏教がもとになっているですが、仏教の思想に「一切皆苦」という言葉があります。

これは、「すべての現象は苦しみだよ」という意味。生き物には常に”不満”があり、満たしても満たしても満たされない不満のなかでずっともがいて生きているというのです。

つまり、苦手な人が不愉快な行動をとるのも”不満”や”苦しみ”から逃れようとしている結果なのです。

例えば、

・嫌がらせをしてくる
⇒ストレスが溜まって苦しんでいる

・デリカシーがない
⇒人から嫌われてばかりで苦しんでいる

・いじめをしてくる
⇒自尊心が低くて苦しんでいる

 

などです。つまり、周りにストレスを与える人は常に不満があって、とても苦しんで生きているのです。

しかし、その努力も結局は報われないのです。

現にあなたから苦手だと思われている時点で、その人は少なからず信用を失っており、さらに自分を苦しめています。

この部分を理解すれば、相手の対応に腹を立てることもなく、哀れみの気持ちをもって接することができます。

そして、同じ人間である自分も、同じような苦しみを抱えて生きていると思えば、相手に思いやりを持つことができます。

慈悲の瞑想で苦しみを理解する

思いやりを持つために、マインドフルネスの世界で用いられるのが「慈悲の瞑想」です。

慈悲の瞑想とは、自分や相手の幸せを願う瞑想のことです。

ある文言を唱えていくのですが、それによってストレスレベルが下がったり、共感力が鍛えられたりすることがわかっています。

具体的には目を閉じて、以下のフレーズ唱えていきます。

私の嫌いな人が幸せでありますように。
私の嫌いな人の悩み苦しみがなくなりますように。
私の嫌いな人の願いごとが叶えられますように。
私の嫌いな人に智慧が現れますように。
私の嫌いな人が幸せでありますように。3

私のすべての生命が幸せでありますように。
私のすべての生命の悩み苦しみがなくなりますように。
私のすべての生命の願いごとが叶えられますように。
私の全ての生命に智慧が現れますように
私の全ての生命が幸せでありますように。3

この文言を繰り返し、頭の中で念じることで、慈悲の気持ちが徐々に育まれていきます。

生きているだけでかなりひどい目に遭っている…。この事実がしっかり腹落ちすれば、他人に対する怒りや消えて、優しさを持つことができるのです。

最終的には、「自分」「他人」という概念も消えて、好きな人・嫌いな人というものも成り立たなくなってしまうと言われています。

方法③距離を置く

苦手な人と無理に付き合う必要はない

苦手な人にアサーションで意見を伝えても応じてくれなかったり、慈悲の瞑想をしても相手への苦手意識が拭えなかったりする場合には、可能であれば「距離を置く」ことが大切です。

人にはそれぞれ相性があります。人には趣味、趣向、性格、価値観など千差万別です。しかし、それには優劣はなく、何が間違っていて、何が正しいもないのです。

そのため、

 

相手は相手の世界で動いている
自分は自分の世界で動いている

 

と認識して、批判することも見下すこともなく、ただ「相性が悪い」という事実を観察して、なるべく接しないようにしましょう。

 

いい影響をもらえる人と付き合う

仏教では、善友・悪友という言葉があります。「善友」と付き合い、「悪友」と付き合うなかれと教えられています。

善友とは、

自分が理性的な影響を受けられる人間関係

です。

悪友とは、

自分が堕落する影響を受けてしまう人間関係

です。

人は周りの人間関係によって多かれ少なかれ、影響を受けてしまいます。それならば、自分の心が安定する、物事を正しく理解できるようになる、そういう影響を受けられるのがベストでしょう。

常にイライラしている人と付き合うと、自分もイライラしてしまいます。

また人の悪口・陰口を言う人と付き合うと、自分もその影響を受けてしまいます。

このような悪い影響を受けてしまう人は、できるだけ避けておくのが無難です。

悪友も”慈悲”の対象である

しかし、これはあくまでも相手のことを否定する・差別するためのポイントではありません。

悪いことをする人であっても、その人を同じ苦しみを持つ「友人」「仲間」であると思い、嫌うのではなく幸せは願うのです。これは、先程説明した、コンパッションにもつながっていきます。

ただ、物理的に自分にどうしても害があるので、距離を置くという風に切り分けをしていくのです。

そのため、距離を置く際も

「お前とはもう付き合わん!」

と攻撃的に接するのではなく、

 

・徐々に会う回数を減らす
・管理者に相談して仕事での接触を減らす

 

など基本的には相手の気持ちを害さないように距離を置くことが大切です。

相性

まとめ

苦手な人と接する場合、「アサーションで伝える」「コンパッションを持つ」「距離を置く」という方法が活用できます。

怒りはストレスの原因です。

苦手な人であっても、極力、対立しないように相手のあり方も受け入れた上でしかるべき対応を取るようにしましょう。

マインドフルネスの哲学は、評価しないこと。「相手はダメ」「自分はいい」などと評価すると、余計な怒りが湧いてきます。

相手も自分も認め、評価を手放すことで苦手な人にも上手く対処できるようになりますよ。

参考記事:
Google式マインドフルネスのコミュニケーション術【コミュ障克服】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
teshy
マインドフルネス実践者/Webライター(公認心理師運営サイトのライター)

幼稚園から小学校4年まで学校では一言も話せない状態を経験。その後15年間、対人不安、強迫観念などの症状に悩まされる。マインドフルネスと出会い、これらの症状とうまく付き合えるように。現在では、マインドフルネスの発信をしつつ、原始仏教の実践にも取り組んでいる。※仏教は超初心者です
詳しいプロフィールはこちら