マインドフルネスとは、「今ここの体験」を観察すること。いい悪いといった評価をせずにただ今起きていることをオープンに感じていきます。
このマインドフルネスですが、自然のなかで行うと、さらに効果が高まるという研究結果がいくつか出ていますので、この記事で紹介していきます。
自然の中でのマインドフルネス瞑想が最強
瞑想がメンタルに良いのは広く知られるようになりましたが、自然の中で瞑想するとその効果が高まることが分かっています。
注意力の回復
自然の中でのマインドフルネスは、研究によれば、従来の瞑想よりも注目すべき注意力の回復効果があります。
Freddieら(2018)[1]の研究では、リストレーションスキルトレーニング (ReST) という瞑想というコースを参加者たちに実践させました。ReSTは瞑想に自然体験を活用するマインドフルネスのコースです。この瞑想コースが、一般的な瞑想と比べて注目すべき成果を示しました。
ReST瞑想は注意力を向上させることがわかりました。一般的な瞑想は初期には効果があるものの、終盤では努力が必要となりパフォーマンスが低下することがわかったのです。
ReSTは、気軽に取り組めるマインドフルネスへの入門として、また自然とのふれあいによる回復を強化する方法と期待されています。
MBSRの効果が高まる
Eunら(2020)の研究[2]では、マインドフルネスに基づくプログラム(MBSR)が、自然環境で行われると効果が高まるかどうかを調査しました。
99人の参加者を対象に、6週間にわたり毎週1時間、
- 自然の中
- 屋外
- 屋内
でMBSRを行うようにランダムに割り当てられました。参加者の健康と自然とのつながりは、プログラム前、中間、終了後、1か月後に評価されました。
その結果、自然の外で行うMBSRが、屋内や屋外で行う場合よりも精神的な健康と幸福に優れていることがわかったのです。
さらに、自然の外で参加した人たちは、プログラム終了から1か月後にも持続的な改善が見られました。
仕事の能力が高まる
Elisaら(2022)[3]は職業性ストレスと自然の中でのマインドフルネスについて、様々な研究結果をまとめたレビュー論文を発表しました。
自然の中で瞑想することは、マインドフルネスを育む上で非常に効果的です。自然との触れ合いは、
- 認知能力
- 作業記憶
- 自己決定力
- 持続力
- 労働者の共感力
- 認識力
- 認知の柔軟性
- 自己管理スキル
に対するマインドフルネスの効果を増幅させると結論づけています。
自然の中でのマインドフルネスは、様々な課題に対処したり、仕事の展開方法をコントロールする際に役立ちます。
さらには、良好な人間関係、組織内での役割の認識、変化への適応につながり、ストレスの軽減に繋がるのです。
やってみた感想
そこまで効果が上がるなら!ということで、実際にやってみました。
「歩行瞑想」を1時間、「座る瞑想」を20分を2回セットほど森のなかで行いました。
個人的には、室内で行った時と比べて瞑想中に大きな効果の違いは感じられませんでしたが、瞑想の前段階で心が落ち着いたり、集中力が上がったりする感覚はありました。
また自然の中で瞑想すると、雰囲気は抜群に良いです。
風を感じたり
木々のざわめきを感じたり
草木の匂いを感じたり
など解放感やリラックス効果も相まって、幸福感も高まったように思います。
まとめ
このように自然の中でマインドフルネスをすることは、注意力が回復したり、MBSRの効果が高まったり、仕事に関わる能力が高まったりします。
マインドフルネス自体、「考えるよりも感じろ!」の世界なので、感覚が研ぎ澄まされる自然の中で行う方がさらに効果が高まるのは、頷けるところです。