マインドフルネス瞑想は睡眠の代わりになる?

睡眠

睡眠時間の一部であれば、瞑想を睡眠の代わりとして行うことができます。しかし実際にどれくらいの瞑想時間で、効果が得られるのでしょうか。

またなぜ瞑想が睡眠の代わりになるのか、そのメカニズムについて把握している人は少ないでしょう。

そこで今回は、心理学ライター5年、マインドフルネス歴7年の私がこの辺りについて詳しくまとめていこうと思います。

teshy
私も慈悲の瞑想をすることで、睡眠の質が高まりました!

マインドフルネス瞑想は睡眠の代わりになる?

10分の瞑想が約44分の睡眠に匹敵する?

マインドフルネス瞑想が睡眠の代わりになる可能性として、オレゴン州立大学の調査があります[1]。

この研究によれば、

 

  • 約10分間の瞑想が44分間の睡眠に相当する可能性がある

 

とされています。

もちろんすべての睡眠を瞑想だけで代わりにできるわけではありません

デルタ波などの特定の脳波が睡眠には欠かせない役割を果たすため、単純におきかえるのは難しいとされています。

しかし、一つの瞑想の効果として、睡眠不足を軽減する効果があると言えるでしょう。

マインドフルネス瞑想が、睡眠不足や質の低い睡眠に対してポジティブな影響を与えることが多くの研究でわかっています。

睡眠の代わりにする際の瞑想時間

Kaulら(2010)の研究[2]では、

 

  • 一部の睡眠時間を瞑想に置き換えても、認知機能が向上する効果が期待できるとされています。

 

また瞑想熟練者は、短時間の睡眠で活動できることがわかっています。

一般的な結論として、成人においては約7~8時間の睡眠がもっとも適していると言われています。研究によれば、瞑想が一部の睡眠の代わりになる可能性があります。

以下は、一般的な睡眠時間に対する瞑想時間の目安です。

睡眠時間に対する瞑想時間
  •  7~8時間睡眠
    • 瞑想の時間: 睡眠だけで休息できるので、置き換えなくてもOK。
  • 6時間睡眠
    • 瞑想の時間: 1日最低1時間の瞑想で、睡眠の不足を補うことができる。
  •  4~5時間睡眠
    • 瞑想の時間: 心身の健康を保つには、1日2~3時間の瞑想が必要。
  • 2~4時間睡眠
    • 瞑想の時間: 置きかえできない。2~4時間の睡眠で活動できるのは、世界で最も熟練した瞑想者だけ。

これらの目安から、一般の人が1~2時間の瞑想を実践すれば、6時間の睡眠でも健康的に過ごすことができるとされています。もちろん、ショートスリーパー、ロングスリーパーによっても基準が変わりますので、個人差があることは抑えておきましょう。睡眠の大切さを理解し、バランスを取りながら瞑想を行うことが重要です。

ブッダが2時間しか眠らなかったとされるように、瞑想を深めることで睡眠時間を圧縮できるといえるでしょう。

継続的な研究と実践により、その効果がより明確になることが期待されます。規則的な睡眠と組み合わせながら、瞑想を取り入れることで、より健康的でリラックスした生活を実現できるでしょう。

マインドフルネス瞑想が睡眠の代わりになる理由

それでは、なぜマインドフルネス瞑想は瞑想の代わりになるのでしょうか。

心の疲労を抑える

一般的には、睡眠中に心が安らぐと考えられがちですが、実際にはそうとは限りません。

私たちの心は1日に約70,000回もの思考を巡らせ、これが心を疲弊させる原因とされています。また思考は睡眠中にも夢として現れます。こうした際限のない思考を鎮めるのが瞑想です。

木のポーズ

瞑想は、「考えすぎ」による心の渦を穏やかにし、24時間続く一定レベルの休息を提供します。眠っているときでも、瞑想を通じて心に必要な休息を与えることができるのです。

身体がリラックス

不安や恐怖、興奮など気分の揺れ動きは、体を緊張させる働きがあります。その結果、睡眠の質を大幅に低下させてしまうのです。

例えば、大事な日の前日に興奮してしまい、夜に眠れなくなったことはありませんか?

このように感情が激しく揺らぐ場合には、眠りも浅いものになってしまうのです。一方で瞑想を行うと、この気分のゆらぎが少なくなり、心が平静に保たれるようになります。

その結果、身体の緊張も少なくなり、心身ともにリラックスした状態が生まれ、睡眠の質も向上するのです。

睡眠の質を高めるマインドフルネス瞑想

睡眠の質を高めるマインドフルネス瞑想について見ていきましょう。

呼吸瞑想

呼吸瞑想は、今感じている自然な呼吸に注意を向ける瞑想法です。自然と繰り返される呼吸の動きに注意を向け、雑念が浮かんだら、そのことに気づき、また呼吸の動きに戻していきます。

この瞑想法は、緊張を和らげ、安らかな睡眠へと導くことが期待されます。

今この瞬間の呼吸に気づくことで、日々のストレスから解放され、夜間の安定した眠りが得られるでしょう。

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慈悲の瞑想

慈悲の瞑想は、他者や自分自身に対する慈悲の感情を養うことに焦点を当てた瞑想法です。この瞑想はポジティブな感情を引き寄せ、リラックスした状態を促進します。

心の中に慈悲の気持ちを育むことで、心地よい感情が広がり、質の高い睡眠へと導くでしょう。

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ボディスキャン瞑想

ボディスキャン瞑想は、身体の各部位に意識を向けながら緊張を解きほぐす瞑想法です。この瞑想を実践することで、寝る前の緊張やストレスを軽減し、良質な眠りをサポートします。

意識をゆっくりと移動させながら、身体の状態に気づくことで、緊張を解除し、深いリラックス状態に入ることができます。ボディスキャン瞑想は、睡眠前の穏やかな心地よさをもたらし、質の高い睡眠を実現する手助けとなります。

ボディスキャン瞑想のやり方・コツを解説!寝てしまう時の対処法とは

これらのマインドフルネス瞑想は、それぞれが心身のリラックスを促進し、質の高い睡眠へとつながります。

個々の瞑想法を組み合わせることで、より効果的にストレスを軽減し、深い安らぎに包まれた夜を迎えることができるでしょう。

日常的な実践によって、マインドフルネス瞑想は睡眠の質を向上させ、健康で充実した生活をサポートします。

まとめ

マインドフルネス瞑想は、睡眠の代替手段として注目を集めています。呼吸瞑想、慈悲の瞑想、ボディスキャン瞑想など様々な手法が、睡眠の質を向上させるメカニズムを提供しています。

ただし、これらの瞑想が睡眠を完全に代替できるかどうかはまだ科学的には確定していません。

最適な結果を得るためには、睡眠習慣を整えつつマインドフルネス瞑想を取り入れ、個々の体験から最良の方法を見つけることが大切です。

良い質の睡眠とマインドフルネス瞑想が手を組んで、心地よい生活をサポートしてくれることでしょう。

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マインドフルネス実践者/Webライター(公認心理師運営サイトのライター)

幼稚園から小学校4年まで学校では一言も話せない状態を経験。その後15年間、対人不安、強迫観念などの症状に悩まされる。マインドフルネスと出会い、これらの症状とうまく付き合えるように。現在では、マインドフルネスの発信をしつつ、原始仏教の実践にも取り組んでいる。※仏教は超初心者です
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