マインドフルネスは「雑念ばかり浮かんでしまう…」をどこまで解決する?

心理学
本記事でわかること

・雑念ばかり浮かぶ危険性
・マインドフルネスが雑念に効く理由
・雑念を止める方法

男性

「最近、雑念ばかり浮かんでしまって、仕事や勉強に集中できない…」
「嫌な記憶や不安な未来の出来事が頭から離れない…」

このような悩みはありませんか?

雑念は、誰にでも浮かんでくるものです。しかし、それが日常生活に支障をきたすほどになると、問題になります。

具体的には、雑念ばかり浮かぶと、人生の質が下がる可能性があります。

本記事では、雑念ばかり浮かぶとどんな問題が起こるのか、マインドフルネスが雑念に効果的な理由と、雑念を手放すためのマインドフルネスの実践方法について解説します。

雑念ばかり浮かぶと…

雑念ばかり浮かぶとメンタルヘルスが悪化し、人生の質がかなり悪くなってしまいます。その悪影響をいくつか見ていきましょう。

反すう思考はうつの原因

雑念には、過去や未来に対する「反すう思考」が含まれます。反すう思考とは、

 

  • 過去の出来事や失敗を繰り返し考えたり、未来の出来事や不安を繰り返し考えたりする思考

 

のことです。

反すう思考は、うつの原因の1つと考えられています。反すう思考を繰り返していると、ネガティブな感情にとらわれやすくなり、うつ病を発症するリスクが高まってしまうのです。

集中力の低下

仕事や勉強、会話など、何かに集中しようとすると、雑念が邪魔をして、なかなか集中できないという経験があるのではないでしょうか。

雑念が頻繁に浮かぶと、集中力が低下し、仕事や勉強の効率が下がってしまいます。また相手の話が入ってこなかったりして迷惑をかけることもあります。

その結果、日常生活でうまくいかないことが多くなり、さまざまなメンタルの問題へとつながっていきます。

嫌な思考が浮かぶ「侵入思考」とは?

雑念には、嫌な記憶や不安な未来の出来事が浮かぶ「侵入思考」も含まれます。

侵入思考とは、

 

  • 本人が望まない思考が、勝手に頭に浮かんでくる思考のことです。

 

侵入思考があると、「なんでこんな思考が浮かんでくるんだ」「こんなことを考えてしまう自分は最低だ」など自己批判的な気持ちも現れてしまうことがあります。

また、侵入思考を抑えようとすればするほど、逆に強力に浮かんでくるという悪循環に陥ることも。

マインドフルネスが雑念に効果的な理由

それでは、なぜマインドフルネスが雑念に効果的なのでしょうか。

雑念を消そうとしても消えない理由

雑念を消そうとしても消えないのは、雑念の原因が「いい悪い」と判断してしまう心の中のこだわりにあるからです。

雑念を消そう消そうと思うほど、逆にこだわりが強くなって、その雑念が強化されてしまいます。その結果、さらに雑念が生まれやすくなるという悪循環に陥ってしまいます。

雑念を消すためには、まず雑念の原因である「いい悪い」の判断をやめることです。雑念は、ただの現象であり、良いも悪いもないのです。

悩み

マインドフルネスは雑念へのこだわりを手放す

ご存知の方も多いかもしれませんがマインドフルネスは、

 

  • あるがままの現実に意識を向け、評価や判断をせずに受け入れること

 

です。そして、雑念も、あるがままの現実の1つです。マインドフルネスによって、雑念を受け入れることで、思考のコントロールがしやすくなります。

雑念が浮かんだときに、それを否定したり、抑え込んだりせずに、ただあるがままに受け入れることで、雑念にとらわれにくくなります。

雑念を手放すためのマインドフルネス

それでは、雑念を手放すためのマインドフルネスの方法を具体的に見ていきましょう。

3分間呼吸空間法

3分間呼吸空間法は、呼吸⇒感じるものすべてへと意識を向けることで、今この瞬間に注意を向ける瞑想法です。

雑念が浮かびやすい「doingモード」から、今ここにただ存在している「beingモード」へと切り替えることができます。

より深く知りたい方は下記を参考にしてみてください。

3分間呼吸空間法とは?手軽に続けられる瞑想法

ジャーナリング

ジャーナリングは、日記を書くように、自分の考えや感情を書き出すことで、雑念を手放すためのマインドフルネスの実践方法です。

ジャーナリングをするときは、雑念が浮かんだときに、それを書き出します。

雑念を書き出すことで、頭の中を整理することができ、雑念にとらわれにくくなります。

より深く知りたい方は下記を参考にしてみてください。

ジャーナリング(書く瞑想)のやり方と効果を解説

アクセプタンスを育む

アクセプタンスとは、あるがままを受け入れることです。雑念を減らすためには、雑念をあるがままに受け入れる、つまりアクセプタンスを育むことが大切です。

前述の通り、雑念を消そうとすると、かえって雑念にこだわり、強まってしまいます。しかし、雑念をあるがままに受け入れることで、雑念に振り回されにくくなり、自然と雑念は静まっていきます。

アクセプタンスを育むためには、以下の3つのポイントを押さえましょう。

  1. あるがままを認める

雑念が浮かんだら、それをあるがままに認めましょう。雑念を否定したり、追い払ったりせず、ただ「今、雑念が浮かんでいる」と認識します。

  1. 雑念に執着しない

雑念が浮かんだら、雑念に執着しないようにしましょう。雑念にとらわれてしまうと、雑念に振り回されてしまいます。

  1. あるがままに受け入れる

雑念をあるがままに受け入れましょう。雑念を消そうとしたり、変えようとしたりせず、ただあるがままに受け入れます。

アクセプタンスを育むためには、日々の生活の中で、さまざまなことをあるがままに受け入れる練習をしましょう。例えば、

  • 食事のときに、味や香り、食感など
    をあるがままに感じる
  • 歩いているときに、足の裏の感覚や、風の流れ
    などをあるがままに感じる
  • 会話をしているときに、相手の言葉や表情
    などをあるがままに感じる

このような練習を積み重ねることで、アクセプタンスが高まり、雑念に振り回されにくくなります。

また、アクセプタンスを育むためのトレーニングとして、マインドフルネス瞑想が効果的。マインドフルネス瞑想では、呼吸に意識を向けることで、雑念をあるがままに受け入れる力を養うことができます。

ラディカル・アクセプタンス

まとめ

ここまで見てきたように雑念を手放そうと頑張ると、かえって雑念が強化され、悪循環に陥ってしまいます。そこで、まずはその雑念を認めて、受け入れて、観察していきましょう。

雑念が生まれたことに批判的になってしまった時は、そのこと自体も認めて受け入れていきます。常にどんな思考も体験も、

 

  • 「受け止める」

 

という姿勢を保つことで思考に振り回されにくくなります。

また、考えても無駄なことを考えてしまう自分にほほえみを持って、「バカだなあと」面白く笑ってみると、強迫観念も和らいでいくでしょう。

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