ACTの脱フュージョンとは?具体例・やり方・技法などを解説

脳
本記事でわかること

・思考は物語にすぎない
・思考から見るのでなはく、思考を見る
・脱フュージョンの技法:マインド・Tシャツ.アニメ声など

今回は当サイトでもよく紹介している心理療法ACTで重視されている「脱フュージョン(defusion)」というテクニックを解説します。

脱フュージョンを実践することで、「思考」はあくまでも「思考」であると気づけるようになり、ネガティブな考えを現実視して、ブルーになることが少なくなります。

teshy
脱フュージョンはふざけることが大事!

脱フュージョンとは?

脱フュージョンとは、簡単いえば、

 

  • 「思考」と「現実」を分ける

 

テクニックです。

例えば、

「自分はダメ人間だ!」

という思考が浮かんでも、それはただの「思考」であることに気づくことです。

思考に気づきさえすれば、現実と思考がごちゃ混ぜになることはありません。

思考から物事を見るのではなく、そこから脱して思考を見ることが脱フュージョンなのです。

思考は単なる物語にすぎない

私たちは、つい自分の思考を真面目にとらえてしまいがちです。

例えば、仕事でミスをした際に、

 

「自分は無能な人間だ」
「自分は何をやっても上手くいかない」
「なぜこんなに失敗するんだろう」

 

などの思考が浮かんで極度に落ち込んでしまいます。

こうした状態を心理学では、「認知的フュージョン」と呼びます。

認知的フュージョンの状態になると、思考を真面目に捉えてしまい、それがネガティブなものであれば、過度に気分が落ち込んでしまいます。

しかし、物事をありのままに観れば、思考は全て単なる言葉の羅列、フィクションであり、もっといえば、脳からを送られる電気信号にすぎません。

この事実の気づくことで、ネガティブな思考に巻き込まれづらくなり、メンタルヘルスが安定していきます。

ACTでは「思考」のことを「物語」と呼びます。思考はいつくもの言葉が合わせて、自分に何かを伝えてきます。

そこでACTでは、「思考を真面目に捉えない」「思考は言葉にすぎないと気づく」ための方法がいくつも開発されています。

様々な脱フュージョンの技法

以下に、脱フュージョンの一般的な手法の一つを説明します。

1.私は○○であるという考えを持っています。

脱フュージョンの中でもシンプルで効果的な方法が、思考を「私は○○であるという考えを持っています」と言い換えることです。例えば、

「私はダメ人間だ」

という考えが浮かんだら、

「私は自分がダメ人間であるという考えを持っています」

と直していきます。言葉で説明するとピンとこないかもしれませんので、1つワークを行ってみましょう。上記の「私はダメ人間だ」というフレーズを5秒間本気で考えてください。

その後、「私は自分がダメ人間であるという考えを持っています」と直してみます。こちらも5秒間真剣に考えてみましょう。

どうでしょうか。思考が現実から切り離される感覚が分かったのではないでしょうか。

もっと簡略化して行いたい場合には、「私は自分がダメ人間であると思った」とするだけでも効果的です。

またこの脱フュージョンの技法は、

「私は、○○という感情を持っています」
「私は、○○という記憶を持っています」
「私は、○○という身体感覚があります」
「私は、○○という傾向があります」

など考え以外の自分の状況にも活用することができます。

少し表現を変えるだけで、思考と一体化している状態から、思考を外側から眺める視点に切り替えられます。

2.とてもゆっくり言う

浮かんだ思考をとてもゆっくり言い直すことでも、脱フュージョンを行うことができます。

例えば、「自分はダメ人間だ」という思考が浮かんだら、

「じーぶぅぅぅんは、だーーめにぃんげぇぇんだぁぁぁぁ」

といった具合に超ゆっくり言い直します。声に出してもいいですし、頭の中で行っても構いません。とても手軽な方法なので、継続性も高いでしょう。

3.考えを「買っている」法

私は今○○という考えを買っていますと、言い直す脱フュージョンの技法です。

例えば、「自分はダメ人間だ」という考えが浮かんだら、

「今、自分はダメ人間だという考えを買っています」と言い直すのです。

考え買うという表現を使うことで、自分がその考えを支持しているというニュアンスを感覚的に理解することができます。

その結果、考えの正当性に気づくことができ、バカらしい考えを採用しないようにできます。

4.マインド・Tシャツ

次は自分の考えを、Tシャツに印字された文字だと認識する方法です。

例えば「自分はダメ人間だ」という考えが浮かんだら、以下のような感じで自分のTシャツに太文字で書かれている様子をイメージします。

自分はダメ人間だTシャツ

さらにリアリティが欲しければ、実際に紙に書いてそれTシャツに貼ってみるのも良いでしょう!

5.ポップアップマインド

浮かんできた思考をネット上でよく見るポップアップ広告だと考えてみましょう。

ポップアップ広告とは、画面上に急に表れるタイプの広告のことです。

ポップアップ広告

思考も同じように急に現れますが、それをポップアップ広告のようなものだと思えば、思考に巻き込まれずに済みます。

6.アニメ声にしてみる

脱フュージョンの中でも、シンプルで効果的な方法は「アニメ声」にしてみるやり方です。

例えば、「自分はダメ人間だ」という思考が浮かんだら、ミッキーのような裏声で言い直してみるなどの方法が挙げられます。

アニメ声は日常生活では聞かないような、特徴的な声が多いです。そこで、思考をアニメ声に変換することで、現実でなく「単なる思考」であることを認識できます。

最近では、ボイスチェンジャーアプリなども多く開発されているので、頻繁に出てくる思考を録音して声を変換して遊んでみると、面白いかもしれません。

まとめ

脱フュージョンは、マインドフルネスを実践する上でとても役に立ちます。

私たちは普通に生きていると、どうしても思考とフュージョンしてしまい、ネガティブな感情に押し潰されてしまうこと多いです。

そんな時に思考から物事を見るのではなく、思考を見ることができれば、落ち着きを取り戻すことができます。

脱フュージョンも練習が必要ですが、一度身に着ければ、メンタルヘルスの安定に大きく寄与するはずです。ぜひ自分なりの脱フュージョンの方法を見つけて、継続して活用してみてください。

関連記事
心理療法ACTとは【マインドフルネスから生まれたセラピー】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
teshy
マインドフルネス実践者/Webライター(公認心理師運営サイトのライター)

幼稚園から小学校4年まで学校では一言も話せない状態を経験。その後15年間、対人不安、強迫観念などの症状に悩まされる。マインドフルネスと出会い、これらの症状とうまく付き合えるように。現在では、マインドフルネスの発信をしつつ、原始仏教の実践にも取り組んでいる。※仏教は超初心者です
詳しいプロフィールはこちら