友達と遊んでも寂しい・満たされない理由と対処法

寂しい

楽しい時間を過ごしたはずなのに、ふと襲ってくる寂しさ。友達と遊んでも満たされない気持ちになること、ありますよね。しかし、安易にすぐに友達に連絡するのは得策ではないかもしれません。

手近な刺激を追求しすぎると、虚無感に襲われることもあります。

本記事では、友達と遊んでも寂しい・満たされない理由や対策について、心理学的な観点から解説していきます。

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快楽は一時的なもの!今ここを満たそう

友達と遊んでも寂しい・満たされない理由

友達と遊んでも満たされない気持ち・・・。一見矛盾のように感じられる現象は、実は科学的に解明されています。

ヘドニックトレッドミル現象

楽しい時間を過ごすと、ドーパミンやセロトニンといった幸福感に関わる神経伝達物質が分泌されます。しかし、これらの効果は一時的なものであり、時間が経つにつれて効果は薄れていきます。

これは、「ヘドニックトレッドミル現象」と呼ばれるものです。

人間には常に新しい刺激を求めてしまう性質があり、どんなに楽しい経験でも、慣れてしまうと幸福感が薄れてしまうのです。

ハムスター走り車

例えば、新しいゲームを始めて最初はとても楽しかったとしても、毎日プレイしているとだんだん飽きてきて、別のゲームに移ってしまうことがあります。

これは、脳が常に新しい刺激を求めているため、同じ刺激では満足できなくなってしまうからです。

友達と遊ぶことも同じです。最初はとても楽しいのですが、何度も同じようなことをしていると、だんだんマンネリ化してきて、物足りなさを感じてしまうことがあります。

友達と遊んでも「考え方」を変えなければ満たされない

アメリカの心理学者、ジョン・カシオッポは、孤独を「社会的孤立」と「主観的な孤独」に二分しました。

社会的孤立とは、実際に他者との関わりが少ない状態を指します。一方、主観的な孤独とは、「自分は孤独である」と感じている状態を指します。

一見、友達と遊んだり、家族と過ごしたりしている人は、主観的な孤独とは無縁のように思えます。しかし、現実には、周囲にたくさんの人がいるにもかかわらず、「自分は孤独である」と感じている人が非常に多いのです。

主観的な孤独は、自己否定的な思考や認知によって引き起こされます。

「自分は周りに比べて魅力がない」
「自分は愛されていない」
「自分は価値がない」

といった思考が、孤独感を増幅させてしまうのです。実際にカシオッポら(2010)[1]の50件の孤独感研究を精査した分析によると、孤独感を軽減する最も効果的な方法は、

  • 不適応な社会的認知に対処すること

であることわかりました。

この研究ではそれ以外にも、

  • 社会的スキルの向上
  • 社会的サポートの強化
  • 社会的接触の機会の増加

などの対処法も調査されていましたが、このような物理的な対処法を用いるよりも、社会的認知に対してアプローチした方が効果量が高かったのです。

逆に言えば、いくらコミュ力を磨いても、仲間を増やしても「自分は孤独な人間だ・・・」などの社会的認知を持っていれば寂しさは拭えないのです。

脳

友達と遊んでも寂しい・満たされないへの4つの対処法

それでは友達と遊んでも寂しい・満たされない時の対処法を見ていきましょう。

否定的な思考パターンを変える

前術の通り孤独感の根本原因は、社会的認知です。そこで孤独感を引き起こす否定的な思考パターンを修正していく方法が挙げられます。具体的には以下の4つのステップを繰り返していきます。

1. 思考の癖に気づく

まず、自分がどのような否定的な思考パターンを持っているのかを認識することが重要です。例えば、

「自分は孤独な人間なんだ」
「自分は愛されていない」
「自分は周りに比べて魅力がない」

といった考えが、習慣的に頭に浮かんでいないか注意してみましょう。

2. 思考の客観性を評価する

否定的な思考が浮かんだら、「それは本当に正しい考えなのか?」と客観的に評価してみましょう。

多くの場合、否定的な思考は、事実よりも感情に基づいており、客観的に見ると必ずしも正しくないことが多々あります。

3. 思考を書き出す

否定的な思考を書き出すことで、頭の中を整理し、思考パターンを客観的に分析することができます。書き出した思考に対して、「それは本当に正しい考えなのか?」「別の見方はないのか?」と問いかけてみましょう。

4. 現実的な思考に置き換える

否定的な思考を認識し、客観的に評価したら、現実的でプラスな思考に置き換えてみましょう。

例えば、「自分は孤独な人間なんだ」という思考であれば、「一緒にいてくれる人もいる」「孤独だからこそ人に寄り添える」というように、自分自身を肯定する言葉を意識的に使うようにします。

今この瞬間を満たす

自分の思考パターンを変えるのは効果的な方法ですが、少し手間の多い作業なので効果が得られる前に挫折してしまう可能性が高いです。

そこでおすすめなのが、当サイトのメインテーマでもあるマインドフルネスです。

マインドフルネスは、今この瞬間の体験に良い悪いと言った評価をつけずに、ありのままに観察することです。何の道具も必要とせず、意識1つで実践できるため継続性も高いでしょう。

MindとFullness

マインドフルネスという言葉は以下の2つに意味を分けられます。

  1. Mind=心
  2. Fullness=満たされる

つまり今この瞬間にオープンに意識を向けることで、心が満たされるという意味合いがあるのです。冒頭でも説明した通り、友人と遊んで一時的に充実感を得ても、へドニック・トレッドミル現象によって、また不満な状態に戻ってしまいます。

マインドフルネスでは今この瞬間がどんなものであれ、それを受け入れ、常に心の充実感を保つように練習していきます。友人といても充実しているし、一人でいても充実しているといった感じです。

何かに依存ことなく、自分の内側から充実感を生み出していくのです。

静坐瞑想

マインドフルネスの実践方法

マインドフルネスを実践するには、以下のような方法があります。

  • 呼吸に意識を集中する
  • 自分の体の感覚に意識を向ける
  • 周囲の音や景色に意識を向ける

これらの方法を実践することで、思考や感情に振り回されることなく、今この瞬間に集中することができます。

今この瞬間に集中することで、小さな幸せを感じられるようになり、孤独感を軽減することができます。

マインドフルネスは、日常生活の中で簡単に実践することができます。例えば、食事をするときは、味や香り、食感など、五感を使って食事を楽しむようにしましょう。

また、歩いているときは、周りの景色や音に意識を向けてみましょう。このように、日常生活の中で小さなことに意識を向けることで、マインドフルネスを実践できます。

関連記事:
【マインドフルネス】瞑想法の種類を一覧で解説!使い分けを学ぼう

友人から得る楽しみに過度な期待を寄せない

友達と遊ぶことは楽しいものです。しかし、その楽しみを過度に期待してしまうと、期待通りにならなかった時に落胆してしまうことがあります。

友達との交流はあくまでも人生の一部であり、すべてを満たしてくれるものではありません。

友達と遊ぶ前に、自分が何を求めているのかを意識してみましょう。

・単に楽しい時間を過ごしたいのか
・新しい人と知り合いたいのか
・悩みを聞いてもらいたいのか

など、目的によって得られる楽しみは異なります。目的を意識することで、過度な期待を避け、友達との交流をより楽しむことができるようになります。

また、友達と遊ぶ以外の方法で楽しみを見つけることも大切です。

趣味や仕事、ボランティア活動など、自分が熱中できるものを見つけることで、人生の幅が広がり、友達から得る楽しみへの依存度を減らせます。

孤独=悪と決めつけない

孤独は必ずしも悪いものではありません。むしろ、孤独な時間を有効活用することで、自分自身と向き合い、内面を成長させることができます。

孤独な時には、以下のようなことを試してみてください。

  • 読書や音楽鑑賞など、自分が好きなことをする
  • 日記を書くことで、自分の考えや感情を整理する
  • 運動やヨガなど、エクササイズを取り入れる

これらの方法を実践することで、孤独な時間を自分自身を成長させるための貴重な時間に変えることができます。

また、孤独な時間は、新たな人間関係を築くためのきっかけにもなります。孤独を感じている人は、自分と同じような気持ちを抱えている人に共感しやすく、新たな繋がりを作るチャンスが生まれやすくなります。

まとめ

友達と遊んでも寂しい・満たされない気持ちは、誰にでも起こり得ることです。大切なのは、その原因を理解し、適切な対処法を実践することです。

本記事で紹介した3つのポイントを参考に、自分なりの対処法を見つけてみてください。孤独と上手に付き合い、心豊かな生活を送られることを願っています。

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