マインドワンダリングとは簡単に言うと、うわの空になり、頭がぼっーとしている状態です。
マインドワンダリングが過剰になると、繰り返しネガティブな体験を思い出す「反すう思考」を引き起こします。
例えば、
・昨日のミスはありえないな…
・あんなこと言わなければ…
・試合に負けた自分はダメ人間だ…
上記のような考えが反すう思考にあたります。
反すう思考に陥っている時は、気分が落ち込み、目の前のことに集中できなくなってしまいます。
そこで、今回はマインドワンダリングの意味を解説しつつ、やめる方・マインドフルネスとの関係について解説していきます。
Contents
マインドワンダリングとは
マインドワンダリングの意味・定義
あらためて、マインドワンダリングの意味を詳しく見ていきましょう。Smallwood &Schooler(2006)[1]によれば、以下のように定義されています。
マインドワンダリングとは,目の前の課題から注意が逸れて内的世界へ向かい,課題と関係のない思考をする現象である。
少し難しい定義ですが、簡単に言えば、「今やっていることと、関係ない事を考える」という意味だと言えそうです。
自動的に浮かぶ思考に飲まれて、今ここに気づいていない状態とも考えれらます。いわゆる心ここにあらずの状態です。
マインドワンダリングと近しい言葉には、
・モンキーマインド
・さまよいモード
・マインドレスネス
・オートパイロット
・自動操縦
・心の迷走
などがありますが、ほとんど同じ意味です。マインドワンダリングは、よく車のアイドリング状態に例えられます。
脳は意識的な活動をしていないのにも関わらず、エネルギーを6~8割ほど消耗していると言われています。
脳疲労を引き起こす
マインドワンダリングの状態では、「デフォルトモードネットワーク(DMN)が機能します。」DMNは、考え事をしたり、未来のこと考えたり、うわの空になっている時に活性化するネットワーク領域です。
DMNがアクティブの時は、脳が休まらず、常に脳のエネルギーを消耗している状態になります。
一説によると、DMNが過剰な状態では、
- 60~80%の脳のエネルギーを消費している
と言われています。
1日の半分はマインドワンダリングに
米ニューヨーク大学のスコット・バリー・カウフマンは、DMNが活発な状態やマインドワンダリングな状態は、
・1日の約50%にもなる
と言います。
また、Killingsworth, M. A., & Gilbert, D. T. (2010)[2]では、18〜88歳の2250名を対象に、スマートフォンを使って大規模な調査を行いました。
その結果、
・仕事中
・会話中
・テレビを観ているとき
など日常のさまざまな状況で、47%のマインドワンダリングが生じることがわかりました。
マインドワンダリングの原因
情報過多
マインドワンダリングが起きる原因としては、現代社会の「情報過多」があげられます。
現代人が1日に触れる情報量は江戸時代の一年分、平安時代の一生分とも言われています。
実際に、Microsoft社(2015)研究[3]によれば、現代人の集中力は「金魚よりも低い!」という笑撃的な結果が出ています。
図を見ると2000年の時点では、まだ金魚よりも注意力が上でしたが、2013年に入ってから金魚よりも1秒注意力が落ちています。
原因はやはり情報過多。スマホやネット上のコンテンツの普及によって様々な情報に触れることになり、注意力が著しく低下しているのです。
刺激物が多い
先ほどの情報過多ともつなかりますが、現代では広告やcm、過激なコンテンツなど刺激的な情報が多くなっています。
私はWebライターをしているので、キャッチコピーのついて学ぶことも多いです。その中でも人の心を動かすためには、やはり人の感情を刺激することが大切だと教えられます。
例えば、
2か月で痩せる
1日たったの2時間で10万稼げる
すぐにマイナス10歳若返る
などがあります。
人は欲望を刺激されると、理性が保てなくなり、意識的になりにくくなります。
現代はひとりひとりが情報を制限しないと、あっという間に注意力が持って行かれてしまう状況なのです。
選択肢が多い
現代では多様性が尊重されてきた一方で、選択肢か増え、私たちの決断を鈍らせる結果となっています。
特にキャリアや働き方においては、無数の選択肢があり、現代人の悩みの種にもなってきます。
・転職すべきか
・何を目指せば良いか
・副業を始めた方がいいのかな
など、あれこれ考えて目の前のことに集中しにくくなってしまうのです。
将来のこと考えてしまうと、マインドフルに生きることも難しくなり、感情的なシステムに流されて生きることになります。
マインドフルネスでマインドワンダリングはやめられる
気づきで意識的な状態を取り戻す
前述の通り、マインドワンダリングは未来のことを考えたり、非現実的なことを空想したりする時に働きます。
一方で、マインドフルネスは今この瞬間の体験を観察することを指します。
”今この瞬間の現実をありのまま”に観ることで、マインドワンダリングの状態を和らげることができるのです。
それでは、以下にマインドワンダリングを和らげる方法として、私が実践して効果があった方法を解説していきます。
気づきを持って深呼吸をする
自分がぼーっとしている、妄想している、ぼんやりしていると状態に気がついたら、ひとまずゆっくり深呼吸してみましょう。おすすめのやり方は以下の通りです。
・姿勢を正す
・4秒吸う
・6秒吐く
呼吸によってお腹が、膨らんだり縮んだりしている感覚、肩が上がったり下がったりしている感覚など、体の変化に細かく注意を向けましょう。
これを心が落ち着くまで繰り返していきます。
深呼吸をするだけでも自動的に起こる思考に巻き込まれず、意識的な状態を取り戻すことができるはずです。
気づきを持って運動する
深呼吸するのも億劫という方は、自分の体の感覚を観察しながら運動してみることがおすすめです。
マインドワンダリングが起こっている時は、思考モードの状態になっているので、体を動かすことで、今この瞬間の感覚に意識が向けやすくなります。
その結果、観察モードへの切り替えがスムーズになります。体を動かすことであれば何でもいいですが、おすすめなのはスクワットです。
ふくらはぎは第二の心臓とも言われており、血液を循環させるポンプの役割を果たしています。スクワットなどでふくらはぎに負荷をかけることで血液が良くなり、脳に新鮮な酸素が送られるようになります。
その結果、集中力が高まり、注意散漫なマインドワンダリングの状態を改善してくれるのです。
短い時間で瞑想する
深呼吸や運動を行うことでもマインドワンダリングの状態を和らげることはできますが、より心を安定させるためには、マインドフルネス瞑想を行うことが大切です。
しかし、繰り返しになりますが、思考モードから観察モードに切り替えるのは、意志の力が必要となります。
そこで、まずは短い時間から瞑想を行うことをおすすめします。
例えば、3分間のタイマーをセットして目を閉じて呼吸に注意を向けるなどです。
短い時間でも意識を今ここに向けることで、脳が観察モードに入り、より気づきを実践しやすくなります。
もちろん長い時間できる方は、行っても良いですがマインドワンダリングな状態から抜けるためのファーストステップとして、短い時間で実践すると良いでしょう。
まとめ
マインドワンダリングは、ぼーっとしている時やとりとめもない思考をしている状態で、脳疲労の原因に繋がります。
現代は情報が多く、様々な刺激に日々を意識して生きることも難しい状態です。そのため、マインドワンダリングが起こりやすい傾向にあります。
そこで、短い時間でも気づきを実践し、観察モードに入る習慣を繰り返し身に着けていきましょう!