マインドフルネスはいつやるべき?朝・昼・夜の効果やおすすめの時間帯を解説

時計
本記事でわかること

・瞑想はいつやるべきか?
・瞑想のおススメの時間帯
・時間帯ごとの効果

マインドフルネスを実践する際に、必ずと言っていいほど疑問に思うポイントが実践する時間帯。

「いつやれば効果が大きいのか」
「いつ実践すれば習慣化しやすいのか」

など誰しも1回は考えたことがあるでしょう。

しかし、この考え方自体が実は大きな落とし穴で、マインドフルネスが逆効果に終わってしまう可能性もあるのです。

今回は、マインドフルネスをいつやるべきか?というテーマについて、注意点を前置きした上で解説していきます!

teshy
マインドフルネスを続ける上で、実践する時間帯は超重要!

前提:マインドフルネスは「いつでも」やるべき

放逸(パマーダ)でいるのはヤバい

いきなり根も歯もない話ですが、仏教ではマインドフルネスは、いつでもやるべきと教えられています。

人はマインドフルネスを実践していないと、思考妄想がとめどなく溢れてしまいます。

つまり、いつでも感情のままに判断し、生きている状態。

すると欲や怒り、怠けが拡大する方向に働き、環境や社会、自分や他の生き物に対して破壊的な方向に進んでしまうのです。

この状態を仏教では、「放逸(パマーダ)」と呼ばれています。これは簡単に言えば、

・気づきがない状態
・マインドフルでない状態

を意味します。

人間の生き方は基本的に放逸であり、感覚に情報が触れるときに、現実をゆがめて認識してしまいます。

その結果、「私」という錯覚が起こり、この”私がいる”という認識があらゆる苦しみを生み出すのです。

悩み

不放逸(アッパマーダ)で生きる

一方で、気づきを実践している状態を「不放逸(アッパマーダ)」と言います。仏教では常にこの状態を保つようにと教えられます。

不放逸の状態では、常に理性が働いており、感情のままに行動ことがありません。

また感覚に触れたデータをそのまま受け取れるため、

 

  • 偏見
  • バイアス
  • 錯覚

 

が発生しない状態になります。この状態では何の苦しみもなく、最も幸福な状態であると言われています。

「私」という錯覚もないので、自分や周りにとって自然と良い行動を取れます。

これは何も宗教的な話ではなく、科学的に「無我」である状態の方が幸福度が高いことが報告されています[1]

とはいえ、常に気づきを保つのは現代人にとって非常に難しいハードル。

偉そうに語っている私もまだまだ道半ば。ほとんど放逸でいる時もあります・・・。

最初はもちろんできる限りで構いませんが、長期的なゴールとして「常に気づきを保つ」ことを目標にすると、揺らがない安穏な心が得られるでしょう。

私利私欲のために瞑想すると逆効果に

前述の通り、自我の錯覚を破ることがマインドフルネスの本来の目的。

そのため、私利私欲など目的で行うと、逆に自我が強まってしまい、様々なトラブルに見舞われる可能性があります。

例えば、仕事で成果を上げたい!という動機でマインドフルネスを行うと、確かに成果は上がるかもしれません。

一方で、「ライバルへの妬み」や「仕事をできない人を見下す気持ち」が表れてしまいます。

自我を手放す目的であれば、副作用ありません。

しかし、瞑想中は目的は意識せず、あくまでも効果は副産物であるとして、すべて手放して今ここに意識を向けることが大切です。

時間帯別のマインドフルネスの効果

前置きが長くなりましたが、以上の点を踏まえて、時間帯別のマインドフルネスの効果を見ていきましょう。

常に瞑想するべきといっても、最初は少しずつ実践していくことになります。その場合には、やはり継続しやすい時間帯を選ぶのがおすすめです。

Berardi Vら(2023)[2]の研究では、朝に瞑想することが習慣化形成にどこまで役に立つか?を調べました。

研究では、市販の瞑想アプリ14,879のユーザー(合計使用回数 899,071 回)のデータを分析し、瞑想セッションの減少率を測定しました。

その結果、朝に瞑想を行う方が習慣化しやすいことが分かったのです。

アカウントを作成してから最初の 180 ⽇間の瞑想の減少確率は、朝の瞑想セッション (63.4% の減少) の⽅が、他の時間 (67.8% ~74.5% の減少) よりも⼩さいことが分かったのです。

重要なポイントは、「毎日同じ時間に継続する」こと。

毎日決まった時間に瞑想することで、瞑想することが億劫ではなくなります。

また朝に瞑想を行うと、世の中が静かなので静寂の中で、今ここに意識を向けられるので個人的にもおすすめです。

昼に瞑想を行うことで、午前中の仕事で疲労した脳を休息させることができます。

また昼は体を緊張させる交感神経が優位になっており、パフォーマンスや集中力が上がりやすいものの、緊張したり焦ったり、イライラしやすい時間帯。

マインドフルネスを実践することで、体をリラックスさせる副交感神経が働き、ちょっど良いバランスを保てるでしょう。

その結果、以下の効果が得られます。

・注意力の向上
・判断力の向上
・セルフコントロール能力の向上
・眠くなりにくくなる

このように、脳を休息させることで、午後もパフォーマンスを落とすことなく、仕事に取り組めるはずです。

夜に瞑想すると、以下の効果を見込めるでしょう。

・睡眠の質が高まる
・反芻思考が柔らぐ
・漠然とした不安感が柔らぐ

夜は1日にあった出来事を振り返って、あれやこれやと考え事が巡りやすい時間帯。

少しでもマインドフルネス瞑想を実感することで、思考がクリアになり、鬱々とした考えや不安感がなくなります。

その結果、睡眠の質も良くなるでしょう。

5年間続けた私の実体験

朝はやっぱり習慣化しやすい

前述の研究にもあった通り、朝瞑想を行うと習慣が定着しやすいように思います。

とくに私はかなりの怠け者なので、この時間に瞑想する!と決めても、瞑想をよくサボってしまうんですよね。。

そこで、朝起きたらすぐに瞑想をして、それから歯磨きをするというルーティンに変えたところ、かなり長続きしました。

「瞑想しないと、歯磨きできない!「と思うと口の中の不快感を取り除きたい気持ちから、嫌でも瞑想できるようになりました。

昼は仕事への落ち着きを取り戻せる

私はもともと対人不安で、職場ではかなり緊張してしまい、常に焦りやプレッシャーを感じながら、働いていました。

昼にマインドフルネスを行うことで、こうした心の興奮状態を沈静化できました。

その結果、仕事でのミスも格段に減っていきましたね。

夜はやり切った感を感じる

夜にマインドフルネスを行うと、1日やり切った感を覚えます。

マインドフルネスを実践しない日は、色々なことを考えたり、だらだらYouTubeを見たりしながら、なんとなく1日が終わってしまう。

ところが、マインドフルネス瞑想を行うと1日が締まる感じがして、充実感を持って眠りに入れます。

まとめ

マインドフルネスはできる限り、常に実践するものです。

もちろん高いハードルではありますが、少しずつマインドフルな時間を増やすことで、思考に飲まれにくくなります。

また効果を求めて行うと、逆に自我が強くなってしまう恐れもあるため、注意が必要です。あくまでも効果は、副産物であると考えましょう。

ざっくりと時間帯別の効果をまとめると、

朝→習慣化に最適
昼→心の高ぶりを抑える
夜→睡眠の質が高まる

などが挙げられます。個人的には、瞑想は続けることが大切なので、自分が継続しやすい時間帯に行うことがおすすめです。

関連記事:
マインドフルネス瞑想が続かない…継続・習慣化の5つのコツ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
teshy
マインドフルネス実践者/Webライター(公認心理師運営サイトのライター)

幼稚園から小学校4年まで学校では一言も話せない状態を経験。その後15年間、対人不安、強迫観念などの症状に悩まされる。マインドフルネスと出会い、これらの症状とうまく付き合えるように。現在では、マインドフルネスの発信をしつつ、原始仏教の実践にも取り組んでいる。※仏教は超初心者です
詳しいプロフィールはこちら