マインドフルネスの「グラウンディング」とは?意味や効果・やり方を解説

グラウンディング
本記事でわかること

・グラウンディングとは?
・グラウンディングとマインドフルネスの関係
・6つのグラウディング法

瞑想

 

 

「マインドフルネスって言葉は知っているけど、グラウディングって一体何だろう?」と思ったことありませんか?

そんな疑問を解消するべく、今回はグラウディングについて見ていきましょう。

具体的には、グラウディングがどのように今この瞬間に意識を向け、心地よいバランスをもたらすのか、わかりやすく解説していきます。

マインドフルネスの学びの一環として、グラウディングをマスターし、日常の中でより豊かな「今」を感じていきましょう!

teshy
私もグラウンディングでかなり感情に巻き込まれにくくなりました。

グラウンディングとは?

グラウンディングには以下の2つの意味があります。

 

  • 周囲の環境に注意を向け、
    今この瞬間とつながること
  • 身体の重心を定め、
    地面に身体がしっかりと根付いていること

 

グラウンディングの概念は、最初の身体心理療法士のアレクサンダー・ローウェンによって開発されました[1]

グラウンディングは、「今、ここ」にある”地に足のついた感覚”を指す言葉です。

ローウェンは、心理的に成熟した人について以下のように説明しています。

身体意識があり、しっかりと地に足が着いている人は、「現実と触れている」バランスの取れた心理的に成熟した人です

グラウンディング用語は、アーシングとも呼ばれる「身体が自然と直接触れる」ことという意味でも用いられます。非常によく似ていますが、この記事で紹介するグラウディングとは別ものです。

グラウンディングの効果

グラウンディングは以下の症状に効果的とされています。

  • パニック障害
  • 不安障害
  • 自傷行為の衝動
  • 物質使用障害
  • 摂食障害
  • PTSD または C-PTSD の症状
  • 解離
    (意識や記憶、知覚、アイデンティティが分裂した状態)
  • 幼少期のトラウマ
  • パニック発作
  • 慢性の痛み

WHO(2020)の『Doing What Matters in Time of Stress: An Illustrated Guide』[2]でも、グラウンディングは感情の嵐を和らげ、落ち着きを取り戻すことができるテクニックと紹介されています。

特にマインドフルネスの実践では、強い不安感やトラウマのフラッシュバックなどが懸念されます。そこで、まずは心の安定を保ちつつ、今この瞬間の体験と向き合っていくのです。

グラウディングのやり方

姿勢を正す

床の上でも椅子に座った状態でも構いません。地面にしっかり足を着け,骨盤を起こした状態で背骨を直立させ、上半身を自然に安定させましょう。

そして、今ここでしっかりと身体が支えられている感覚を感じます。

瞑想

アンカーに注意を向ける

アンカーとは、今ここに意識を繋なぐ身体感覚のことです。

例えば、

  • 鼻腔に空気が触れる感覚
  • お腹の膨らみ縮み
  • 足が地面に触れている感覚

などが挙げられます。基本的には、今自分が最も繋がりやすい感覚をアンカーとして設定します。

そして、思考が浮かんだり、注意がそれたり、強い感情に苛まれたりしたら、その都度アンカーの感覚に注意を向け、今この瞬間に戻ります。

333ルール

333ルールとは、以下の3つの手順でグラウンディングする方法です。

  1. まわりに見えるもの3つ挙げる
  2. 聞こえる音を3つ挙げる
  3. 身体の部位を3つ動かす
    (もしくは今触れている感覚を3つ挙げる)

最後のステップに関しては、自分の身体を3つの部位の感覚に注意を向けるだけでもいいですし、首を回したり、手首を回したり、軽くスクワットなどをしたりしても構いません。また、外にあるものに触れたり、動かしたりしてもOKです。

54321法

54321法は333ルールをさらに拡大したグラウンディング法で、以下の手順で行います。

  1. 目に見えるもの5つに意識を向ける
  2. 肌で感じられるもの4つに意識を向ける
  3. 耳で聞こえるもの3つに意識を向ける
  4. 匂いを感じるもの2つに意識を向ける
  5. 味わえるもの1つに意識を向ける

五感を通じて、今ここに意識を向けることでグラウンディングを行います。詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

自然

3分間呼吸空間法

3分間呼吸空間法は、以下の3つのステップで行う瞑想法です。

  • 今の体験に気づく
  • 呼吸に注意を向ける
  • 今感じているもの全てを観察する

それぞれのステップを1分ずつ行います。3分間呼吸空間法について、詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

呼吸法

ボックス・ブリージング

ボックス・ブリージングは、以下の4つのステップでグラウンディングする呼吸法です。

  1. 4秒間、息を吸う
  2. 4秒間、息を止める
  3. 4秒かけて息を吐く
  4. 4秒間、息を止める

各ステップの時間の状況に応じて変更可能。ですが、基本的には3秒から6秒の範囲に収めるようにしましょう。

このサイクルを1回から5回繰り返していきます。目は開けていても、閉じていても構いません。また立っていても、座っていても、横になっていても行うことができます。

ボックスと呼ばれる理由は、

4秒吸う↑

4秒止める→

4秒吐く↓

4秒止める←

といった具合に、矢印で形づくると四角を書くことができるためです。

QuietKitのサイトでは、見るだけでボックスブリージングが実践できるGIF画像を作成しています。

画像出典:https://quietkit.com/box-breathing/

  1. 4秒間吸い込みます(円が広がるにつれて)
  2. 4 秒間肺をいっぱいに保ちます(円が完全に広がったままになります)
  3. 4秒かけて息を吐きます(円が小さくなるにつれて)
  4. 肺を空っぽにして 4 秒間保持します (円が収縮するにつれて)

 

ぜひグラウンディングの1つとして、強い感情に見舞われたときに活用してみてください。

まとめ

「グラウンディング」は、パニック障害から慢性の痛みまでさまざまな症状に対して効果的なマインドフルネスの手法。

姿勢を整えたり、アンカーに意識を向けたり、333ルールや54321法を行ったりなど、様々な方法があります。五感を通じて今ここに意識を向けることで、感情の嵐を静め、心の安定感を取り戻しましょう。

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teshy
マインドフルネス実践者/Webライター(公認心理師運営サイトのライター)

幼稚園から小学校4年まで学校では一言も話せない状態を経験。その後15年間、対人不安、強迫観念などの症状に悩まされる。マインドフルネスと出会い、これらの症状とうまく付き合えるように。現在では、マインドフルネスの発信をしつつ、原始仏教の実践にも取り組んでいる。※仏教は超初心者です
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