超敏感な人「HSP」はマインドフルネスで繊細さとうまく付き合おう

繊細さ
本記事でわかること

・マインドフルネスとは?
・周りに流されにくくなる方法
・HSP向けのマインドフルネスのコツ

疑問

HSPとは、高い感受性を持った

「超敏感な人」

のこと。

その繊細さが才能として活かされる一方で、ストレスや不安を生み出すこともあります。

かくいう私自身もHSP気質が強く、対人不安や不注意などで悩んできました。

しかし、マインドフルネスと出会い「今ここに注意を向ける」「今ここ観察する」という視点を学んでから、HSPの気質とうまく付き合うことができるようになりました。

今回は私の経験と知識から、HSPが繊細さとうまく付き合うためのマインドフルネス的な方法を解説していきます。

teshy
HSPは考えすぎる傾向があるので、マインドフルネスがおすすめ!

HSPってなんだろう?ハイリー・センシティブ・パーソンについて

HSPとは何か

HSPは「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略です。

HSP持つ人は、感覚情報をより深く処理するため、ポジティブであれネガティブであれ、刺激に対して強く反応します。

人口の約15~20%がこの特性を持っていると推定され、性別、年齢、人種、文化にも左右されません。

HSPの特徴と課題:神経質とストレスへの耐性の低さ

HSPは、生まれつきの優しさと共感性を持ち、クリエイティブな仕事を得意とする傾向があります。

しかし、その感受性の高さから、些細な相手の反応や変化を気にする傾向があります。

繊細な女性

そのため、HSPの人はストレスを感じやすく、周りの人とのコミュニケーションで苦手意識を持つことも。

その結果、会話のあとに一人反省会を行ったり、同じ考えを何度も繰り返す反すう思考に陥ったりしてしまうのです。

また、自分を責めてしまったり、過剰に心配したりすることもあります。

マインドフルネスとは何か、HSPにとってどのような意味があるのか?

マインドフルネスとは?

マインドフルネスとは、以下のようなアプローチです。

今この瞬間の体験をいい悪いなどの評価判断することなく、ありのままに観察する

もともとは原始仏教から始まり、現在では科学的にメンタルヘルスを安定させる効果があるということで、精神医療の分野でも取り入られています。

マインドフルネスは、

 

  • ストレス軽減
  • 抑うつ傾向を下げる
  • 反すう思考を減らす

 

などの効果があります。マインドフルネスによって今ここに集中することで、過去や未来の悩みから解放され、心がクリアな状態になるのです。

また今ここをいい悪いといった評価をしないで、オープンに受けれる姿勢を育むため、苦しいことがあっても受け止めることができるようになります。

感受性が高くても影響されない心を作る

特にHSPにマインドフルネスがおすすめな理由としては、

 

  • 感受性が高くても、周囲に流されない心を作れる

 

からです。

前述の通りHSPは、

・共感しやすい
・周囲の刺激に敏感
・真面目

などで疲れやすい傾向にあります。

また、マインドフルネスは、自分への思いやりである「セルフコンパッション」の1要素です。

マインドフルネスを実践することで、自分の感受性をより受け入れられるようになるでしょう。

MBSRがHSPに与える影響

マインドフルネスはHSPにとって、自分の感受性とうまく付き合うために役に立ちます。

Soonsら(2010)[1]の研究では、MBSR(マインドフルネスストレス低減法)の8週間プログラムが、HSPにどのような心理的影響を及ぼすかを調べています。

研究では、HSP傾向が高い47名を対象に1回2時間半のセッションを8回にわたって行いました。

その結果、8週間のプログラム終了後に以下の効果が得られました。

・ストレスが減る
・対人不安が和らぐ
・マインドフルネスが高まる
・感情的共感が高まる
・自己成長主導性が高まる
・自己受容が高まる
・自己超越が高まる

stress (F = 94.11, p < .001),social anxiety (F = 86.89, p < .001), self-acceptance (F = 33.54, p <. 001), emotional
empathy (F = 21.25, p < .001), personal growth initiative (F = 10.25, p < .01), and selftranscendence (F = 14.04, p < .001).

上記の自己成長主導性は、簡単言えば、自分から率先して成長しようとすることを表します。

結果を見ると、HSPの気質である共感力や自己超越(個人の境界線がなくなった感覚)などは、さらに向上しているもののストレスや対人不安は低くなっています。

つまり、HSPは繊細さのデメリットを払拭し、より気質の特徴を生かすことができると言えそうです。

またプログラム終了後4週間にわたって効果が持続していることもわかりました。

teshy
僕自身、MBSRを過去に2回受けていますが、日常的なストレスは少なくなったように感じます。

下記の記事でMBSRについて詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

HSP向けマインドフルネスの実践法

研究の通り、MBSRを受けるのが一番手っ取り早いですが、敷居が高いという方向けに、すぐに取り組めるマインドフルネスをご紹介します。

ジャーナリング(書く瞑想)

ジャーナリングとは、制限時間を決めて、自分の考えていることや感情をひたすら紙に書き出すという方法です。

紙に書き出すことで、思考や感情を客観視することができるようになり、冷静さを取り戻すことができます。

具体的には以下のポイントを押さえつつ書き出していきます。

  • 脚色しない
  • ペンを止めずに書き続ける
  • 言葉が出てこなければ、出てこないということを書く

自分の悩んでいることや感情を表に出すのは、勇気のいることかもしれません。「こんなことを書くのは恥ずかしい」と思ってしまうこともあるでしょう。

しかし、ジャーナリングで使用した紙は誰に見せるわけでもありません。書き終えたら捨ててしまっても結構です。そのため、書き出すときは自分の感情を脚色せず、ありのままに素直に書き出すようにしましょう。

シンプルな方法ながら、やってみるとかなりスッキリしますよ!

ジャーナリングについてより深く知りたい方は下記を参考にしてみてください。

ジャーナリング

3分間のマインドフルネス瞑想

まずは短い時間マインドフルネス瞑想から初めて見ましょう。ストレスを感じた時に3分間だけ時間をとって、今この瞬間の呼吸の動きを観察しましょう。不快な感覚も快感も、受け入れ、評価判断せずに感覚を眺めます。

雑念が浮かんだら、またゆっくりと呼吸の動きに注意を向けます。3分間が過ぎたらゆっくりと目を開けて瞑想を終了します。

マインドフルネスについて深く知りたい方は下記をご覧ください。

静坐瞑想

日常生活でマインドフルネスを実践する

瞑想は必ずしも座って行うものではありません。常に気づきを保つことで、何でも瞑想とすることができます。歯磨きをするとき、通勤通学、食事、仕事など観察しながら行うことで、マインドフルネスの感覚が養われます。

個人的には座って行う瞑想よりも、いかに日常生活で気づきを保っているかの方が重要だと考えています。

しかし、最初は歯磨きだけなど日常の動作の1つ選んで、その時はマインドフルネスを実践するとした方が始めやすいでしょう。

日常生活にマインドフルネスを取り入れる方法を深く知りたい方は下記をご覧ください。

日常

セルフコンパッションを行う

セルフコンパッションとは、「自分への思いやり」のことです。たとえ、失敗したり、ミスをしたとしても自分を励まし、

・自分が幸せであってほしい
・自分が苦しんでほしくない

という気持ちを持つことで、自責の念に駆られたりすることが少なくなります。自分の苦しみを理解し、それに対してオープンになることで、現実的に行動できるようになります。

具体的なワークは以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。

セルフコンパッションの瞑想

以上のように、マインドフルネスを実践することで、HSPの人は繊細さをポジティブな力に変えることができます。自分自身を受け入れ、自分自身に向き合うことで、ストレスや不安を軽減できます。

また、日常生活でのマインドフルネスの実践によって、心の安定を保つことができ、疲れにくくなるというメリットがあります。

静坐瞑想

まとめ

HSPは、繊細で感受性が豊かな人々です。そのため、ストレスや不安を感じやすく、心身ともに疲れやすいという傾向があります。

しかし、マインドフルネスを実践することで、自分自身を受け入れ、刺激や不安、ストレスとうまく付き合えるようになります。マインドフルネスは、呼吸に意識を向けたり、ストレスや感情に向き合ったりすることで実践できます。

また、日常生活でのマインドフルネスの実践も大切です。毎日短時間でも実践することで、マインドフルネスが身につき、日常生活に自然と取り入れることができます。

HSPの人がマインドフルネスを実践することで、繊細さとうまく付き合うことができます。ぜひ、自分自身のためにも、マインドフルネスを実践してみてくださいね。

ぐるぐる思考

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teshy
マインドフルネス実践者/Webライター(公認心理師運営サイトのライター)

幼稚園から小学校4年まで学校では一言も話せない状態を経験。その後15年間、対人不安、強迫観念などの症状に悩まされる。マインドフルネスと出会い、これらの症状とうまく付き合えるように。現在では、マインドフルネスの発信をしつつ、原始仏教の実践にも取り組んでいる。※仏教は超初心者です
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