食べる瞑想(マインドフル・イーティング)のやり方とは?

食事
本記事でわかること

・食べる瞑想とは?
・食べる瞑想の効果
・実践する際の4つのポイント

食事瞑想

最近、「マインドフルネス瞑想」が注目を集めていますが、「なかなか継続できない」「難しい」と感じる方も多いことでしょう。

そんな方におすすめしたいのが、「食べる瞑想(マインドフル・イーティング)」です。毎日の食事を通じて気軽に実践でき、マインドフルネス初心者にもぴったりな方法です。

この記事では、食べる瞑想の具体的なやり方やメリットについて紹介します。

teshy
食べる瞑想は日常に取り入れやすい瞑想法!

食べる瞑想(マインドフル・イーティング)とは?

マインドフルな食べ方(Mindful Eating)とは、食べている瞬間を大切にし、食べ物に意識を向けることを意味します。

食べる瞑想は、食べ物をただ食べるだけではなく、

 

  • その瞬間に集中して感じる

 

ことを大切にします。

自分の五感を使って、食べ物の香りや味、触感に気づきながら食べるのがマインドフル・イーティングです。

食べる瞑想の効果

食べる量が減る

小山ら(2020)[1]では、20人の協力者を対象に、

 

  • 普通に食べた群
  • マインドフルに食べた群

 

に分けて、実験を進めました。

その結果、以下のようになりました。

普通に食べた群
⇒10人中7人が4粒目のチョコレートを食べた

マインドフルに食べた群
⇒10人中1人が4粒目のチョコレートを食べた

マインドフルネストレーニングを受けるとチョコレートの摂食が減る傾向があると言えます。

その他、Mercado[2]の研究でも、過食性障害の症状が軽減されたという研究結果が出ています。ゆっくり気づきを保ちながら、食べることは食事の量を減らす効果が期待できそうです。

ACTの活用で体重が減る

マインドフルネスの中でもアクセプタンス・アンド・コミットメント・セラピー(ACT)と呼ばれる心理療法は、ダイエットに効果的であることがわかっています。

ACTとはとは、簡単にいえば、

 

  • 今こことつながり、不安や恐怖心などを受け入れ、自分の価値観に沿って行動していく

 

心理療法です。

Lawlorら(2020)[3]では、BMIが25以上の体重が多めの人たちを対象にして、マインドフルネス心理療法の体重の減少効果を調べました。

研究では22のデータを使って、マインドフル・イーティングの

 

  • 介入後
  • 12か月後
  • 24か月後

 

の効果を調べました。

その結果、マインドフルネス心理療法は、通常のダイエット療法よりも体重減少をもたらすことが分かったのです。

ただし、その差は小さい部分で、介入後は0.6キロ、24か月後には1.4キロでした。

特に、ACTが一番効果的で、18か月以上続けた場合には体重減少に対して有効という結果になりました。

ACTは長期的に体重を減らすのに効果的かもしれませんね。

早朝瞑想会

食べる瞑想(マインドフル・イーティング)のやり方

五感を感じる食べる瞑想

それではマインドフル・イーティングのやり方を見ていきましょう。

⓪姿勢を正す
背筋を伸ばして、全身の力を抜きましょう。自然な呼吸を繰り返されているのを感じます。

①観察する
まず、お皿の上に広がる食べ物を見つめます。形や色、質感を観察していきましょう。

②つまむ
手で食べ物をつまんでみてください。感触を感じながら、食べ物とのふれあいを楽しんでみましょう。

③香りを嗅ぐ
鼻を使ってしっかりと嗅いでみましょう。香りに集中してみてください。

④音を聞く
もし、食べ物から音が聞こえたら、そのことにも注意を向けてみます。

⑤口に入れる
食べ物を口に運ぶ瞬間、舌や唇の感触を感じましょう。口の中での変化に意識を向けてみてください。

⑥噛む
噛むことに集中しましょう。噛む回数を意識したり、食感の変化を感じたりして「食べ物を噛む」ことを観察していきます。

⑦味わう
辛さ、甘さ、苦さ、酸っぱさなど食べ物の味を観察しましょう。注意点としては、「美味しい」「マズい」などと判断せず、今感じている味を客観的に観察します。

⑧飲み込む
最後に食べ物を飲み込んでいきます。喉の動きや食べ物がお腹に入っていく感覚に意識を傾けてみてください。

ラベリング式食べる瞑想

次に紹介するのは、言葉で動作を実況中継するラベリングを使った食べる瞑想です。

⓪姿勢を正す
背筋を伸ばして、全身の力を抜きましょう。自然な呼吸を繰り返されているのを感じます。

①気づきをもって箸を取る
「(右手or左手を)上げます、上げます、上げます」
「伸ばします、伸ばします、伸ばします」
「取ります、取ります、取ります」

と頭の中で実況中継して箸を取ります。

②気づきをもって食べ物をつまむ
「伸ばします、伸ばします、伸ばします」
「取ります、取ります、取ります」

と頭の中で実況中継して食べ物を箸でつまみます。

③気づきをもって食べ物を口に運ぶ
「上げます、上げます、上げます」
「運びます、運びます、運びます」
「(口を)開けます、開けます、開けます」
「入れます、入れます、入れます」

と頭の中で実況中継して食べ物を口に運びます。

④気づきをもって噛む、味わう、飲み込む
「噛む、噛む、噛む」
「味わう、味わう、味わう」
「飲み込む、飲み込む、飲み込む」

と頭の中で実況中継して食べ物を噛んで味わって、飲み込みます。

⑤箸を戻す
「下ろす、下ろす、下ろす」
「置く、置く、置く」

と頭の中で実況中継して元あった位置に箸を戻します。

⑥ ①~⑤を繰り返す
制限時間、もしくは食べ終わるまで①~⑤を繰り返します。この瞑想は一般的には45分間で行うことが多いです。

動画でも瞑想のやり方を解説しています!文章だと分かりづらいという方は下記を参考にしてみてください。

マインドフル・イーティングのコツ

ビギナーズ・マインドを大切に

食べる瞑想は今までの経験を忘れて、生まれて食べ物を口にするかのように行うことがポイントです。これはビギナーズ・マインドなどと呼ばれることがあります。

自分が星に降ろされたばかりで、どこにいるのか何も知らないと想像しましょう。あなたは地球で何も経験したことがありません。経験がないので、判断も恐れも期待もありません。

ゆっくり味わう

食事中は焦らず、食べ物を噛みしめ、その味わいを楽しむ時間を大切に。急がず、一口ごとに箸をを置いて、観察しましょう。そうすることで、食べ物をよりじっくり味わうことができます。

刺激を少なくする

食べるときは、スマホやテレビをオフにしましょう。外部の騒音から解放された空間で食べると、食事がより美味しく感じられるようになります。また、可能であれば1人になって行うことが大切です。

今日の食事に集中するために、静かな時間を作ってみましょう。

食事

体のサインに注意

おなかの空き具合や満腹感を感じましょう。体が教えてくれるサインを感じながら、自分のペースで食べていくと、自然と満足感が生まれます。

食べ過ぎにもならず、食べなさ過ぎにもならないために、体との対話を大切にしましょう。

まとめ

食べる瞑想(マインドフル・イーティング)は、毎日の食事を通じてマインドフルネスを実践する瞑想法です。

食材の本来の味わいを楽しむことで食事の満足感を得られ、ダイエットや生活習慣病予防にも効果があります。

食事を通じて、今この瞬間とつながる時間を大切にしていきましょう。

日常

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teshy
マインドフルネス実践者/Webライター(公認心理師運営サイトのライター)

幼稚園から小学校4年まで学校では一言も話せない状態を経験。その後15年間、対人不安、強迫観念などの症状に悩まされる。マインドフルネスと出会い、これらの症状とうまく付き合えるように。現在では、マインドフルネスの発信をしつつ、原始仏教の実践にも取り組んでいる。※仏教は超初心者です
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